ミカルディスを紹介する女性

ミカルディスはアンジオテンシン受容体拮抗薬と呼ばれる降圧剤です。
日本においては2005年1月に発売されています。
2014年4月から2015年3月までの年間売上高は957億円となっており、頻用されている医薬品です。
この薬はレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系に作用する薬です。
ミカルディスの作用機序を説明するためにまずはレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系について説明します。

まずこれは血中の水分、電解質、血圧のコントロールを行っている機構です。
レニンは腎臓に存在する酵素であり、肝臓で合成されたアンジオテンシノーゲンがレニンによってアンジオテンシンIに変換されます。
アンギジオテンシンIはさらにACEという酵素によってアンジオテンシンIIに変換されます。
アンジオテンシンIIはAT1受容体に作用することによって血管収縮、アルドステロン分泌を促進します。
このアルドステロンは腎臓においてナトリウムイオンと水の再吸収を促進することで循環血液量を増やします。
つまりこの機構が働くと血圧が上昇する方向に作用するのです。

ミカルディスの有効成分テルミサルタンはアンジオテンシンIIがAT1受容体に作用するのを阻害する薬です。
それによってレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が働きにくくなり、血管が拡張し、循環血液量が少なくなる方向に働きます。
AT1受容体拮抗薬と類似の作用をするものにアンジオテンシン変換酵素阻害薬があります。
代表例にタナトリルが挙げられますが、この種の薬は副作用として空咳が起こりやすく、より副作用の起こりにくく安全に使用できるアンジオテンシンAT1受容体拮抗薬がより多く使われています。

ミカルディスの半減期

ミカルディスは高血圧症の治療に用いられる第二世代のARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)で、AT1受容体に強く結合し、血管平滑筋の収縮を抑えて血圧を下げる効果があります。
高血圧治療には、脳や心臓の血管病が多発する早朝の血圧を抑制できる薬が必要とされ、作用持続時間の長い降圧剤が望まれています。
これまでのARBは血中濃度半減期が6~8時間ほどと持続時間が短いこともあり服用するタイミングが難しかったのですが、ミカルディスはARBの中でも血中濃度半減期の持続時間が長く、服用後24時間にわたって安定した降圧作用を発揮するとされており、早朝であっても血圧のコントロールができるため、多くの高血圧症患者に処方されています。

1日1回の服用だけで効果は発揮され、飲み忘れていても降圧効果は継続されているため、血圧への影響は少ないと言われています。
初日の投与には20mgから開始され、患者の症状や状況によって医師の指導のもと最大80mgまでの増減で投与されます。

ただし食事の影響を受けやすい傾向にあり、空腹時に服用すると血中濃度が高くなるため食前または食後の用法を継続する必要があります。
服用すると腎臓を介さずに胆汁からほぼ100%排泄されるため、腎臓への負担が少なく、糖尿病などの腎臓障害をもつ患者への投与に適しています。
降圧剤などでよくある空咳などの症状もあまり見ることはなく、副作用の心配はほとんど無いです。
カルシウム拮抗薬に分類される薬にはグレープフルーツなどの柑橘系の飲み合わせは血中濃度を上昇させるため禁忌とされていますが、ミカルディスは別の種類の降圧剤となるため問題にはならず、医師としても処方しやすい薬と言えます。

ミカルディスの副作用

薬には副作用がつきものですが、ミカルディスにも例外なく副作用が存在します
ミカルディスの副作用に悩まされる男性ミカルディスを服用すると場合によっては副作用を起こす事があります。
重篤な副作用が出る事もあるので服用後に体に変化があればすぐに服用を中止し適切な処置をする事が必要となります。
重篤な症状としてあげられる副作用は、血管浮腫、高カリウム血症、腎機能障害、ショック症状・アナフィラキシー、肝機能障害、低血糖、間質性肺炎、横紋筋融解症などが挙げられます。

血管浮腫は顔面や咽頭、舌などに血管浮腫の症状が現われ、ひどい場合は呼吸困難に陥る事がある為、経過観察をしっかりと行い異常が現われた場合すぐに適切な処置をする事が必要となります。
ショック症状やアナフィラキシーは呼吸困難や血圧低下などがみられ、特にショック症状は失神や意識消失などが現われるのですぐに処置を行う事が重要です。
低血糖は脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力の低下、痙攣、意識障害などの症状が現われます。
間接性肺炎は発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等の症状が現われます。
横紋筋融解症は筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする症状があらわれます。

このようにミカルディスを服用してから上記のような異変が現われたら重篤な副作用を起こしている可能性が考えられます。
そのため、少しでもおかしいと感じた場合はすぐに服用を中止して適切な処置を行う事が必要です。